【2月3日 AFP】英国防省は2日、英空軍(Royal Air ForceRAF)に所属するウィリアム王子(Prince William、29)が、軍務のため南米アルゼンチン沖の英領フォークランド諸島(Falkland Islands、アルゼンチン名マルビナス諸島 Islas Malvinas)に到着したと発表した。

 英国王位継承順位2位のウィリアム王子は、英空軍で捜索救難ヘリのパイロットを務めており、フォークランド諸島に6週間駐留し、通常任務につくという。

 だが、英国とアルゼンチンが軍事衝突した1982年のフォークランド紛争からちょうど30年というタイミングでの王子派遣をめぐり、両国間の緊張は高まっている。11月に王子の派遣が発表された際にアルゼンチン外務省は「挑発行為」だと反発。今週にも、王子について「征服者の制服で到着する」との表現で批判した。

 英国が今週始め、フォークランド諸島に最新鋭軍艦「HMSドーントレス(HMS Dauntless)」を派遣すると発表したことも、緊張の一因となっている。英国側はあくまでも定期配備の一環と主張しているが、アルゼンチンのアマド・ブードゥ( Amado Boudou)副大統領は2日、地元ラジオで「英国が剣を鳴らして(フォークランドに)乗り込んでくるのは、国内の高失業率から英国民の目をそらすためだ」と非難した。

 現在約3000人が住むフォークランド諸島は1888年以降、英国が実効支配している。1982年4月、当時のアルゼンチン軍事政権は領有権を主張して同諸島を占領。74日間続いた戦闘の末、英軍が支配権を取り戻したが、アルゼンチン兵の649人、英兵255人が死亡した。以来、英国は住民を保護するためとの理由で軍を常駐させている。(c)AFP/Alice Ritchie

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