【1月29日 AFP】2月に正式に辞任する予定のイエメンのアリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)大統領が28日、大統領府への攻撃で昨年負ったけがの治療のため、米ニューヨーク(New York)に到着した。

 サレハ大統領は、イエメンの隣国オマーンから空路出発し、給油のためロンドン(London)郊外の空港に一時立ち寄った後、米国に到着した。大統領の足取りはこの数日間不明だった。

 在ワシントンD.C.(Washington D.C.)イエメン大使館のモハメド・アルバシャ(Mohammed Albasha)報道官は「サレハ大統領は今晩、短期の治療のため米国に到着した」と声明で述べた。ニューヨークの病院で治療を受ける予定だという。

 イエメンを約30年間統治したサレハ氏が同国を離れた理由には、国外で治療を受けることだけでなく、イエメンの権力移行を進めやすくするという政治的狙いがあるとみられている。

 イエメンでは数か月に及ぶ流血の抗議行動の末、サレハ大統領が昨年11月に権力移譲案に最終的に合意し、サレハ体制が事実上の終わりを迎えている。(c)AFP/Sebastian Smith