【1月9日 AFP】北朝鮮の国営テレビは、新指導者となった金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)氏の誕生日と考えられている8日、同氏を「天才中の天才」などと礼賛する記録映画を放映した。

 記録映画は、戦車を運転し、陸海空軍を指揮する正恩氏の映像とともに「敬愛する金正恩同志は、あらゆる軍事戦略に長け、卓越した軍事統率力を示した」と伝え、視察に訪れた正恩氏を目にした人民軍兵士らが歓喜して喜ぶ姿を流した。

 また、正恩氏がわずか16歳で軍事戦略に関する論文を書き上げたり、1日3~4時間程度の睡眠時間で勉学に励み、食事を抜くこともあったなどと報じた。

 さらに、父親の故金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記が正恩氏の多才さを指摘し、軍事知識に関しては天才中の天才だと語っていたとのエピソードを伝え、正恩氏は人格と指導力の双方において金総書記と祖父の金日成(キム・イルソン、Kim Il-Sung)主席に生き写しだなどと評した。

■09年の長距離弾道ミサイル発射実験も視察

 記録映画は、2009年4月に北朝鮮が人工衛星の打ち上げと称して長距離弾道ミサイルの発射実験を行った際、管制センターには金総書記とともに正恩氏もいたと伝えている。映画によれば、この時、正恩氏は敵が攻撃してくることがあれば、必ず応戦すると誓ったという。

 一方、映画は正恩氏の誕生日には触れておらず、北朝鮮が正恩氏の誕生日として8日を祝日としたかどうかは不明だ。北朝鮮では金総書記や金日成主席の誕生日は、国の重要な祝日となっている。

 韓国の聯合ニュース(Yonhap News)によれば、北朝鮮の2012年のカレンダーでは1月8日は祝日にはなっていないが、これはカレンダーが印刷された時期が正恩氏が最高指導者の座に就く以前だったためとも考えられる。(c)AFP