【1月4日 AFP】11月の米大統領選で民主党のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領に挑戦する野党・共和党指名候補争いの幕開けとなる米アイオワ(Iowa)州党員集会が3日行われ、ミット・ロムニー(Mitt Romney)前マサチューセッツ(Massachusetts)州知事がわずか8票差で接戦を制した。

 4日未明(日本時間4日午後)の州党委員会の発表によると、ロムニー氏は3万15票を獲得し、3万7票を集めたリック・サントラム(Rick Santorum)元上院議員を破った。

 敗れたとはいえサントラム氏は、数週間前には政治生命が終わったも同然だった人物で、今回の目覚ましい返り咲きは事実上の勝利といえる。敬虔(けいけん)なカトリック信者で妊娠中絶や避妊に反対の立場を取り、タカ派の外交政策を掲げるサントラム氏は、熱狂する支援者を前に「皆さんはこの国を取り戻す第一歩を踏み出した」と発言。「米国では、大胆な発想と対比の明確な主張こそが勝利につながる」と、ロムニー氏の中道寄りの姿勢を攻撃した。

 一方のロムニー氏は、自身とサントラム氏は互いに「偉大な勝利」を得たと述べるとともに、3位に終わったロン・ポール(Ron Paul)下院議員の健闘をたたえた。ポール氏は小さな政府と対外援助や外国への軍事介入に反対の立場を示している。

 各候補の得票率は、ロムニー氏とサントラム氏が約25%、ロン・ポール氏が約21%、ニュート・ギングリッチ(Newt Gingrich)元下院議長が約13%だった。

 主にロムニー陣営によるネガティブ・キャンペーンでアイオワ州での支持を落としたギングリッチ氏は、10日にニューハンプシャー(New Hampshire)州で行われる予備選挙に雪辱を期すと表明した。リック・ぺリー(Rick Perry)テキサス(Texas)州知事は、地元に戻って指名候補レースにとどまるか検討すると発表。ミシェル・バックマン(Michele Bachmann)下院議員は6位に終わったが、今後も戦いを続けると表明した。(c)AFP/Olivier Knox

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