【12月27日 AFP】脱北者支援活動家らは、金正日(キム・ジョンイル、Kim Jong-Il)総書記の死去により、北朝鮮の抑圧と飢餓からの脱出が困難になる恐れがあるとしている。

 12月17日の金総書記の死去後、北朝鮮は脱北防止のため公共の場所や中朝国境の警備を強化したとみられている。

 脱北者の支援活動を行う韓国人のキム・ソンウン(Kim Seung-Eun)牧師は、「接触先のほとんどと連絡がとれない。おそらく厳しくなった警察の検閲を避けるため、在北朝鮮の関係者はみな携帯電話の電源を切っているのだろう。彼らの身に何もなければいいが」と語った。

 同氏に消息筋が中国から北朝鮮に密輸入した携帯電話で明かした話によると、中国と北朝鮮はともに国境の部隊を増強しているという。

 1950年~1953年の朝鮮戦争時からこれまで、貧困にあえぐ北朝鮮を脱出し韓国へ渡った人数は約2万3千人。そのうち大半は近年に集中している。

 脱北者は、警備が手薄になりつつある国境を超えて中国へ徒歩で脱北するケースが多い。その後中国に潜伏し、第三国に移動して韓国への入国を狙う。(c)AFP/Jung Ha-Won