【12月21日 AFP】北朝鮮の次期指導者は、貧窮し孤立しながらも、大量のミサイルと化学兵器、それに少量の核兵器を保有する巨大な軍を擁した国家を受け継ぐことになる。

 年間軍事費推定40億~70億ドル(約3100億~5400億円)の北朝鮮の軍事力についての基本情報は以下のとおり。

■核兵器

 国際機関推計によれば、核兵器6~7基を製造するのに十分なプルトニウムを保有。ミサイル搭載用の核弾頭を製造する技術を持っているかは不明だが、専門家らは、開発に近いところまで達している可能性が高いとみている。

■ミサイル

 各種ミサイルを少なくとも1000発保有。韓国国防省によれば、射程が3000キロを超えるものもある。また、大陸間ミサイル「テポドン(Taepodong)」3種の発射実験をすでに行った。

■生物・化学兵器

 米軍とその同盟軍は、北朝鮮と韓国が通常の戦争を行った場合には北が圧倒されるとみているが、北朝鮮による生物・化学兵器の使われ方を懸念している。

 北朝鮮は2500~5000トンの化学兵器を保有。韓国国防省などの推計によれば、韓国に多大な損害を及ぼすのに十分な量だという。化学物質は、長距離ミサイルや多連装ロケット砲、弾道ミサイル、航空機、艦艇などに搭載して運ぶことができる。

 生物兵器の開発計画もあるが、北朝鮮が研究開発段階を終えたかは不明。

 炭疽菌、マスタードガス、サリン、ボツリヌス、ホスゲンなどを保有しているとみられる。

■兵員

 17歳からの徴兵制により、現在の兵員数は120万人、予備役は770万人に上る。

■陸軍

 ソウル(Seoul)に照準を合わせた多数の重砲を保有。米政府の分析によると、主力戦闘戦車3500両、軽戦車560両、装甲兵員輸送車2500両、けん引砲3500門、自走砲4400門、多連装ロケット砲2500門、迫撃砲7500門、対戦車ミサイル(数不明)、無反動砲1700門、高射砲1万1000門。

■海軍

 潜水艦92隻、フリゲート艦3隻、コルベット艦6隻、ミサイル艇43隻、大型巡視艇158隻、高速魚雷艇103隻、哨戒艦艇334隻以上、輸送艦艇10隻、沿岸防衛ミサイル発射台2台、ホバークラフト130隻、掃海挺23隻、小型艇8隻、測量船4隻を保有。

■空軍

 韓国への迅速な越境攻撃を念頭に入れた編成になっている。爆撃機推計80機、戦闘機と対地攻撃機541機、輸送機316機、輸送ヘリコプター588機、攻撃ヘリ24機、無人機少なくとも1機を保有。空対空ミサイルと地対空ミサイルの備蓄も十分に持っている。

(c)AFP