【12月19日 AFP】中国南部・広東(Guangdong)省の省都・広州(Guangzhou)で18日、同省・烏坎(Wukan)村の住民らによる抗議行動を支援する小規模なデモが行われ、3人が当局に身柄を拘束された。地元当局の汚職に抗議する烏坎村のデモを支援する動きが村外で公式に確認されたのは、今回が初めて。

 烏坎村では、住民数千人が通りに繰り出して地元共産党当局の汚職に抗議を続けており、警察が村を包囲して「兵糧攻め」にしている。住民らは、地元当局幹部が不正に取得した土地と拘束中に死亡した同村の指導者の遺体の返還を求めている。

 小規模ながら広東省の省都で烏坎村の住民を支持する運動が行われた事実は、同村に関する情報を封じ込めようとした当局の試みが失敗し、中国国内で烏坎村への支持が拡大しつつあることを示唆している。

 身柄を拘束された1人はAFPの電話取材に対し、東部江西(Jiangxi)省からの出稼ぎ労働者だと名乗り、「インターネットで烏坎村のニュースを知り、住民らを支援したいと思った。権利を守るための行動を支持する」「わたしも彼らと同じ思いだ。選挙権や人権がない。より多くの人々に烏坎村支援に参加してほしい」などと述べた。

 拘束された別の1人によると、3人は広州市内の広場で民主主義と自由に関する演説を行おうとしたが、演説を始める前に身柄を拘束されたという。3人によると、広州での烏坎村支援運動は1週間で2回目だという。(c)AFP

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