【12月17日 AFP】台頭する中国と厳しい財政事情の間で板挟みとなっている米軍が、シンガポールに艦艇を常駐させ、フィリピンやタイへの展開を強化するかもしれない――米海軍のジョナサン・グリナート(Jonathan Greenert)作戦部長(大将)は米海軍協会紀要(US Naval Institute's Proceedings)12月号に寄せた論文で、2025年の米海軍のあり方をこのように予測した。

 グリナート作戦部長は「世界各地で機先を制するために米海軍は、革新的なアプローチをとらなければならないだろう」と指摘し、「わが国は外国に本格的な作戦基地を新設する財政的・外交的コストを負担できないと考えられるので、2025年には、展開中のわが軍の艦艇・航空機・人員が、給油・休養・補給・修理などで受け入れ国の港や施設を活用する度合いが強まるだろう」という見方を示した。

 また、米海軍は域内の同盟国であるフィリピンやタイ周辺で、次世代対潜哨戒機P-8Aポセイドン(P-8A Poseidon)などの定期的な展開も強化するかもしれないとグリナート作戦部長は予測している。

 米国はこのところ、中国と東南アジア諸国の領有権問題で緊張が生じている東シナ海(East China Sea)における航行の自由を守るべきだという主張を強めている。(c)AFP/Shaun Tandon