【12月7日 AFP】米国は6日、1980年以来国交のないイランの市民に向けたウェブサイト「バーチャル(仮想)在イラン米国大使館」を開設した。厳しいネット規制を敷くイラン当局の「電子のカーテン」を突き抜けてイラン市民に情報を発信する。

 ウェブサイトは、米国の各政策、査証情報、米国営ラジオ放送ボイス・オブ・アメリカ(Voice of America)からのニュース、SNSへのリンクなどを英語とペルシャ語で提供しているほか、査証申請書のダウンロードも可能だ。

 ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官は同サイトに、米国とイランの人々が「自由に恐れることなく」交流する道を切り開くものだとの、ビデオメッセージを寄せている。

 また、「バーチャル大使館」の開設を発表したウェンディ・シャーマン(Wendy Sherman)国務次官(政治担当)は記者会見で、米国へのイラン人留学生の増加につながればとの期待を示した。
 
 米国際教育研究所(Institute of International EducationIIE)によると、2010学年度に米国で学ぶイラン人留学生の数は前年比で19%増加している。

 だが、イラン政府は、すでにクリントン国務長官が10月に「バーチャル大使館」構想を発表した時点で、内政干渉を意図したものだとサイトの開設に反発している。(c)AFP/Shaun Tandon

【参考】バーチャル在イラン米大使館(英語)