【12月5日 AFP】過去10年間に米大統領による恩赦を請求した受刑者のうち、白人は非白人と比べて4倍近く恩赦を与えられていたことが、非営利の調査報道機関「プロパブリカ(ProPublica)」の実施した調査で明らかになった。米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が3日、伝えた。

 プロパブリカは、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領(当時)が1期目の任期中に、恩赦司法局(Office of the Pardon Attorney)の推薦で恩赦を基本的にすべて決めるようになってからの恩赦実施例を分析。調査の結果、大統領の恩赦を最も受ける確率が低かったのは黒人だった。

 ブッシュ前大統領は2001~08年の任期中、司法省から提出された1918件の恩赦請求に判断を下し、189人に恩赦を与えたが、そのうち非白人はわずか13人だった。内訳は、黒人が7人、ラテン・アメリカ系米国人が4人、アジア人が1人、アメリカ先住民が1人だった。

 ブッシュ政権で法律顧問を務めたフレッド・フィールディング(Fred Fielding)氏は、ワシントン・ポスト紙に対し、「(人種間の不均衡は、ブッシュ前大統領にとっても)私にとっても、非常に困惑するものだ。われわれは請求者の人種についてはまったく知らされていなかったのだから」と語った。(c)AFP