【12月4日 AFP】ロシア下院選投票日の4日、ロシアの人気ラジオ局と独立系選挙監視団体「ゴロス(Golos)」が、それぞれのウェブサイトが攻撃を受けたと発表した。また、複数の野党系ニュースサイトもアクセス不能になっている。

 露ラジオ局「モスクワのこだま(Echo of Moscow)」のアレクセイ・ベネディクトフ(Alexei Venediktov)編集長は、「投票日に起きたウェブサイトへの攻撃は、間違いなく、選挙違反に関する情報の公開を阻止する企てだ」と述べた。モスクワのこだまはロシア政府系ガス会社ガスプロム(Gazprom)の所有だが、リベラル系野党支持者に人気の局だ。

 一方、ゴロスによると、同団体も小規模のサイバー攻撃を受けたほか、複数の野党系ニュースサイトがアクセスできなくなった。ゴロスはツイッター(Twitter)で、主要ウェブサイトと「選挙違反マップ」のウェブサイトが、「大規模なDDos(分散サービス妨害)攻撃」を受けたと発表。同団体はこの1週間、当局から強い圧力を受けていたという。

 ゴロスのリリヤ・シバノバ(Liliya Shibanova)代表によると、当局の不興を買ったのは、ロシア全土で発生した選挙違反の目撃情報や証拠を投稿できる「選挙違反マップ」プロジェクトのようだという。

 また、政府高官についての調査報道記事を掲載することで知られ、服役中の元石油王ミハイル・ホドルコフスキー(Mikhail Khodorkovsky)受刑者の連載コラムもある野党系週刊紙ニュータイムズ(New Times)のウェブサイトも、アクセス不能になった。ニュースサイト「slon.ru」もアクセスできなくなっている。

 ロシアのブロガーからも、人気ブログサービス「Livejournal.com」につながらないと苦情が出ている。Livejournal.comは前週から繰り返しDDos攻撃を受けており、断続的にアクセスができなくなっていた。

 ライブ・ジャーナル(Live Journal)のイリヤ・ドロノブ(Ilya Dronov)代表は、ツイッターで3日、「まだ攻撃は続いている。相手には山ほど金があるんだろう」と述べた。(c)AFP