【11月28日 AFP】モロッコ内務省は27日、25日に実施された下院(定数395)選の最終結果を発表した。穏健派イスラム主義政党「正義発展党(Justice and Development PartyPJD)」が107議席を獲得して第1党に躍進し、正義発展党が初めて連立政権を率いる見通しになった。

 改選前の47議席から大きく勢力を伸ばした正義発展党のアブデリラ・ベンキラネ(Abdelilah Benkirane)党首は首都ラバト(Rabat)の党本部で、歓声を上げる支持者らを前に「断固として改革を要求したときでも、われわれの目標は常に国の安定だった。選挙結果は予想よりも良かった」と述べた。

 選挙は7月の憲法改正後初めて。新憲法では、国王の議会に対する強力な権限の一部が議会と首相に移譲された。

 国王は旧憲法のもとでは任意の人物を首相に任命することができたが、新憲法のもとでは選挙で勝利した政党から首相を選ばなければならない。また、閣僚の選任や議会の解散は首相が行うことになった。

 前月にはチュニジア初の自由な選挙で穏健なイスラム主義政党が勝利したばかり。また「アラブの春」と呼ばれる民主化要求運動で近く総選挙が行われる予定のエジプトでもイスラム政党の躍進が予想されている。(c)AFP/Daniel Silva

【関連記事】モロッコ国民投票、 圧倒的多数で憲法改正案を承認