【11月24日 AFP】米ワシントンD.C.(Washington D.C.)のキリスト教会で23日、格差に抗議する「オキュパイ(Occupy、占拠せよ)」運動の参加者たちに感謝祭の食事が振る舞われた。

 ワシントンD.C.のニューヨーク・アベニュー長老派教会(New York Avenue Presbyterian Church)の地下室を開放し、ローストターキーやマッシュポテト、トウモロコシ、パンプキンパイなど500人分が振る舞われた。ユダヤ教徒の戒律にのっとった食事「コーシェル」やベジタリアン用の食事も用意された。

 宗教の垣根を越えた人たちが1か月前に立ち上げたOccupy Faith DC(ワシントンD.C.の信仰のオキュパイ運動)という組織が企画したもの。Occupy Faith DCは、デモ隊が集まっている市内のマクファーソン広場(McPherson Square)とフリーダム・プラザ(Freedom Plaza)の2か所で炊き出しや備品の提供、精神的なサポートなどを行っている。

 Network of Spiritual Progressives(精神進歩主義者のネットワーク)という社会運動にも参加しているOccupy Faith DCのジェームズ・リー(James Lee)氏は、感謝祭の食事を楽しむ人たちに「オキュパイ運動は愛にあふれている。何百万もの人たちが、あなた方の成功を願っている。だから決してあきらめないほしい。来春までに、通りを埋め尽くす賛同者を何十万人にも増やそう」と呼びかけた。

 17世紀にアメリカ大陸に渡った最初の入植者たちが、豊かな収穫を神に感謝してごちそうを食べたことに起源を持つとされる感謝祭は、米国では11月の第4木曜日にあたり、米国の家庭にとって大切な祝日になっている。

 貧富の格差や企業の政治介入に抗議するオキュパイ運動は、発祥の地のニューヨーク(New York)や米各地では逮捕者が出るなど荒れているが、ワシントンD.C.では当局が容認し、逮捕者や大きな事件も少ない。(c)AFP/Robert MacPherson