「シリア大統領は退陣せよ」、トルコ首相が演説
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【11月23日 AFP】トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)首相は22日、トルコ議会で演説し、反体制派への弾圧を続けているシリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領は「さらなる流血の事態を招く前に退陣すべきだ」と述べた。
ここ数週間、かつては良好な関係にあったアサド大統領への批判を強めていたエルドアン首相だが、直接的に退陣を迫ったのは初めて。シリアの近隣諸国の指導者としてアサド大統領に辞任を要求したのは、ヨルダンのアブドラ・ビン・フセイン国王(King Abdullah II)に続き2人目となった。
エルドアン首相は、「(アサド大統領は)さらなる流血の事態を招く前に退陣すべきだ・・・(シリア)国民のためにも、地域のためにも、自らの国のためにも」と述べた。
■「自国民を相手に戦うのは臆病者」
さらにエルドアン首相は、英日曜紙サンデー・タイムズ(Sunday Times)が最近掲載したアサド大統領のインタビューに触れ、「バッシャール・アサドは死ぬまで戦うと言っている。(しかし)自国民を相手に戦うのは英雄ではなく臆病者だ。死ぬまで戦った人物の末路を知りたければ、ナチス・ドイツ(Nazi)のヒトラーを見よ。ムソリーニを見よ。ルーマニアのチャウシェスクを見よ」と述べ、アサド氏が退陣しなければ歴史上の他の独裁者のように無惨な死を遂げることになると警告した。
ナチス・ドイツの独裁者アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)は、連合軍がベルリン(Berlin)へ進軍する中、地下壕で死亡した。同じく第2次世界大戦(World War II)中のイタリアの独裁者ベニト・ムソリーニ(Benito Mussolini)は、怒った民衆たちによって遺体を広場で逆さづりにされた。共産主義体制下のルーマニアを独裁支配したニコラエ・チャウシェスク(Nicolae Ceausescu)大統領は1989年のクリスマスの日に銃殺刑に処された。
エルドアン首相は、こうした歴史上の例からアサド大統領が学ぶことができないのであれば、つい最近のリビアの元最高指導者ムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の死を考えてみるべきだと促した。
エルドアン首相は、トルコはシリアに内政干渉するつもりはないと述べつつも、910キロメートルにわたる国境で接する隣国で起きていることに「われわれは無関心ではいられない」と述べた。
11月に入り、シリアの複数の都市でトルコの大使館などがシリア体制支持派のデモ隊に襲撃されたことを受け、トルコ側はアサド大統領に対する批判を強めている。(c)AFP