【11月19日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領と中国の温家宝(Wen Jiabao)首相は19日午前、東アジア首脳会議(East Asia Summit)の開幕に先立ち、インドネシア・バリ(Bali)島で会談した。この会談は当初予定されていなかったが、前日夜の公式夕食会の席で温首相側が19日に実施を要請したという。

 会談では南シナ海(South China Sea)における領有権問題や経済問題などが話し合われたが、トム・ドニロン(Tom Donilon)米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)によると、主に温首相側が提起した経済問題について話し合われた。

 ドニロン補佐官によるとオバマ大統領は、前週米ハワイ(Hawaii)で行われたオバマ大統領と胡錦濤(Hu Jintao)中国国家主席の会談でも取り上げられた中国元の為替相場や貿易問題への懸念を温首相に伝えた。米政府は人民元の為替相場が意図的に低く抑えられていると主張している。

 さらにオバマ大統領は、南シナ海における領有権の問題にも触れた。オバマ大統領はこの問題を東アジア首脳会議で取り上げたい考えだが、中国側は当事国間の協議で解決すべき問題だと主張した。

 中国は、アジア太平洋地域での米国の動きを中国の勢力範囲を侵すものとみなしている。温首相は18日にも、南シナ海における領有権問題への「外部勢力」の介入に反対する姿勢を示していた。(c)AFP/Beh Lih Yi