【11月17日 AFP】債務危機に直面して12日に辞任を表明したイタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)前首相(75)が、在任最後の日となった16日、ラブソングを集めたアルバムをリリースした。

 ラテン美女好きのプレーボーイを自認するベルルスコーニ氏は、若い頃にはクルーズ船の歌手で、自分の魅力とシルキーボイスで大人数のグループを何時間でも楽しませることができたとよく自慢している。

 新アルバムのタイトルは『真実の愛』。自ら作詞も手がけ、ベルルスコーニ氏の友人で歌手のマリアーノ・アピチェッラ(Mariano Apicella)氏が歌い上げている。官能的なナポリ風の曲の数々は「愛の苦しみ」をうたったもので、「今日もまた雨風の日、今夜もまたあなたはいない」「ここにいて、おまえの心をわたしにゆだねて」「わたしはあなたの腰に手をすべらせる、なぜなら、それはあなただから。こんなにも愛しすぎ、もはやあなたなしではいられない」などの歌詞が並ぶ。

 これまでにもアピチェッラ氏との共作アルバムを発表してきたベルルスコーニ前首相だが、サンバを取り入れた曲が収録されているのは今回が初めてだ。

 今でも身内のパーティーなどでは、こらえきれずに歌いだしてしまうという前首相だが、マリオ・モンティ(Mario Monti)新首相への権限委譲の儀式でも、最後に一言発せずにはいられなかったようだ。閣議の時に鳴らすベルをモンティ氏に手渡しながら、ベルルスコーニ氏はトレードマークの笑みを浮かべ、こう軽口を叩いた。「子どものころ、礼拝の侍者をやっていた時にこれをよく使ったものだよ」(c)AFP