【11月14日 AFP】米ハワイ(Hawaii)で開催されていたアジア太平洋経済協力会議(Asia Pacific Economic CooperationAPEC)首脳会議は13日夕(日本時間14日)、環境関連製品の関税を2015年末までに5%以下に引き下げることを盛り込んだ首脳宣言を採択して閉幕した。

 APEC加盟国は、2012年に関税引き下げの対象となる環境関連製品の一覧を作成し、2015年末までにそれらの関税を5%以下に引き下げる。

 首脳宣言では「こうした具体的な措置をとることによって、企業や市民が重要な環境技術を安価に利用できるようにして環境関連製品の利用を促進し、APECの持続可能な発展目標に大きく貢献する」と説明している。

 さらに首脳宣言は、経済活動に対するエネルギー消費量を表す「エネルギー強度」を、域内で2035年までに45%削減するとした意欲的な目標を掲げた。

 米国には今回のAPEC首脳会議で議長国を務めるにあたり、太陽光パネルや風力発電などの環境関連製品貿易を最優先事項とし、国内の雇用拡大や環境行動の活性化につなげたい狙いがあった。

 しかし、ある中国の高官は前週、米国側が設定した目標を「野心的すぎ、発展途上国の能力を超えている」と批判した。このため、首脳宣言には「関税引き下げに際しては、各国の経済状況を考慮する」との一文が盛り込まれるなど、中国への配慮がみられた。(c)AFP