ベルルスコーニ氏の未来は? 国外脱出か政界復帰か
このニュースをシェア
【11月13日 AFP】イタリア首相を辞任したシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)氏(75)の未来はどのようになるだろうか。政界復帰を目指す可能性が最も高いとみられているが、一方で専門家たちは、それ以外にもいくつかの選択肢があると指摘する――カリブ海の島への脱出や、刑務所、さらにはサッカークラブの運営などだ。
ベルルスコーニ氏は辞任直前、めずらしく公の場から姿を消した。「解放された」と述べ、今後の選挙には出馬しない意向を示していた。
だが一方で、20年近くにわたってイタリア政界の有力者であったベルルスコーニ氏は、こうも言った。「選挙運動に協力することはあるかもしれない。私がこれまでずっと得意だったものだからね」
有力政治家リストからベルルスコーニ氏の名前をまだ消していない専門家もいる。ベルルスコーニ氏は、与党・自由国民党(People of Freedom、PDL)の代議士であり、2013年までは議席を有している。
一方で、半ば冗談でこのように語る専門家もいる――苦境に立たされた億万長者は、苦しみの種をすべて逃れて、優雅な亡命人生を選ぶかもしれない。ベルルスコーニ氏の政治的後援者だったベッティーノ・クラクシ(Bettino Craxi)元首相のように。
イタリアのクラクシ元首相は1994年、汚職の罪で禁錮27年の判決を言い渡される直前に、チュニジアに逃れた。
ことし流出したベルルスコーニ氏の通話記録によると、ベルルスコーニ氏は電話でイタリアを「クソ国家」と呼び、「私は数か月以内に(この国を)出ていく」と付け加えていた。
逃亡先として最も可能性が高いとされているのは、カリブ海のアンティグア(Antigua)島だ。同島のあるアンディグア・バーブーダは身柄引き渡しを認めていないうえ、ベルルスコーニ氏は閑静な大邸宅をアンティグア島に所有している。
American University in Romeのジェームズ・ウォルトソン(James Walston)准教授は、「ベルルスコーニ氏は、過熱する法廷闘争を避けるためにアンティグアに向かうか、自分の部下たちを呼び集めて政界復帰を目指すか、そのいずれかだろう」と語る。
ベルルスコーニ氏の最も忠実な友人の1人であり、テレビニュースキャスターのエミリオ・フェーデ(Emilio Fede)氏は最近、ベルルスコーニ氏がカリブ海へ行くのなら同行するつもりだと語った。フェーデ氏は現在、ベルルスコーニ氏に売春婦をあっせんした容疑で取り調べを受けている。
だが政治コメンテーターのセルジオ・リッツォ(Sergio Rizzo)氏は、プレイボーイであることを誇るベルルスコーニ氏に、西インド諸島(West Indies)での穏やかな人生は適していないと指摘する。
「ベルルスコーニ氏とフェーデ氏がアンティグアでチェスをしながら時間を過ごすところは想像できない。ベルルスコーニ氏が政財界から離れることは無理だ。彼は注目の的でいたいのだから」
「ベルルスコーニ氏は、全ての結婚式で花嫁になり、葬式では棺に入りたいタイプの人間だ。それが彼の最大の長所であり、これまで長年にわたって世論の支持を勝ち得ていた理由だ」と、リッツオ氏は語った。(c)AFP/Ella Ide
【関連記事】セックスとジョーク、ベルルスコーニ伊首相の遺すもの
ベルルスコーニ氏は辞任直前、めずらしく公の場から姿を消した。「解放された」と述べ、今後の選挙には出馬しない意向を示していた。
だが一方で、20年近くにわたってイタリア政界の有力者であったベルルスコーニ氏は、こうも言った。「選挙運動に協力することはあるかもしれない。私がこれまでずっと得意だったものだからね」
有力政治家リストからベルルスコーニ氏の名前をまだ消していない専門家もいる。ベルルスコーニ氏は、与党・自由国民党(People of Freedom、PDL)の代議士であり、2013年までは議席を有している。
一方で、半ば冗談でこのように語る専門家もいる――苦境に立たされた億万長者は、苦しみの種をすべて逃れて、優雅な亡命人生を選ぶかもしれない。ベルルスコーニ氏の政治的後援者だったベッティーノ・クラクシ(Bettino Craxi)元首相のように。
イタリアのクラクシ元首相は1994年、汚職の罪で禁錮27年の判決を言い渡される直前に、チュニジアに逃れた。
ことし流出したベルルスコーニ氏の通話記録によると、ベルルスコーニ氏は電話でイタリアを「クソ国家」と呼び、「私は数か月以内に(この国を)出ていく」と付け加えていた。
逃亡先として最も可能性が高いとされているのは、カリブ海のアンティグア(Antigua)島だ。同島のあるアンディグア・バーブーダは身柄引き渡しを認めていないうえ、ベルルスコーニ氏は閑静な大邸宅をアンティグア島に所有している。
American University in Romeのジェームズ・ウォルトソン(James Walston)准教授は、「ベルルスコーニ氏は、過熱する法廷闘争を避けるためにアンティグアに向かうか、自分の部下たちを呼び集めて政界復帰を目指すか、そのいずれかだろう」と語る。
ベルルスコーニ氏の最も忠実な友人の1人であり、テレビニュースキャスターのエミリオ・フェーデ(Emilio Fede)氏は最近、ベルルスコーニ氏がカリブ海へ行くのなら同行するつもりだと語った。フェーデ氏は現在、ベルルスコーニ氏に売春婦をあっせんした容疑で取り調べを受けている。
だが政治コメンテーターのセルジオ・リッツォ(Sergio Rizzo)氏は、プレイボーイであることを誇るベルルスコーニ氏に、西インド諸島(West Indies)での穏やかな人生は適していないと指摘する。
「ベルルスコーニ氏とフェーデ氏がアンティグアでチェスをしながら時間を過ごすところは想像できない。ベルルスコーニ氏が政財界から離れることは無理だ。彼は注目の的でいたいのだから」
「ベルルスコーニ氏は、全ての結婚式で花嫁になり、葬式では棺に入りたいタイプの人間だ。それが彼の最大の長所であり、これまで長年にわたって世論の支持を勝ち得ていた理由だ」と、リッツオ氏は語った。(c)AFP/Ella Ide
【関連記事】セックスとジョーク、ベルルスコーニ伊首相の遺すもの