【11月2日 AFP】世界経済フォーラム(World Economic ForumWEF)が1日に発表した報告書によると、世界各国の男女格差は健康面、教育面では縮まっているものの、政界や実業界への女性の進出度は依然、圧倒的に低かった。

 世界135か国の男女格差を調査した「グローバル・ジェンダー・ギャップ・レポート(Global Gender Gap Report)」によると、対象となった国の85%で過去6年の間に、男女格差の縮小を示す何らかの進展がみられたが、残る国々では女性の権利が後退し、とりわけアフリカや南米の何か国かではそれが目立った。

 全体を分野別で見ると、健康面では指標の96%まで、教育面では93%まで、男女格差が縮小していた一方で依然、男女で歴然とした差があったのは、政治・経済への参画度だった。

 各国の大臣や議員といった要職に女性が占める比率は20%を下回っていた。また選挙で選出された国家元首の中でも、女性は約20%だった。

 一方、調査対象となった国のうち2割で、企業に対する女性役員登用の義務付けがあり、また3割で女性議員の最低限の比率が定められていた。

 WEFの主宰者であるクラウス・シュワブ(Klaus Schwab)会長は、「最高位に女性の代表がいない制度は、不平等かつ非効率的な制度だ」とコメントしている。

 同調査で男女格差の少ない順のランキングを占めたのは今回も北欧諸国で、上位5か国はアイスランド、ノルウェー、フィンランド、スウェーデン、アイルランドの順だった。一方で135か国中、下位から5か国はイエメン、チャド、パキスタン、マリ、サウジアラビアだった。(c)AFP