【11月2日 AFP】中国で今年4月、脱税容疑で拘束され、約3か月後に保釈された著名芸術家、艾未未(アイ・ウェイウェイ、Ai Weiwei)氏(54)に対し、中国当局は1日、1500万元(約1億7900万円)に上る追徴課税の支払いを命じた。艾氏は自分をつぶそうとする動きだと話している。

 2008年北京五輪のメーンスタジアム、北京国家体育場(Beijing National Stadium)のデザインに加わったことでも知られ、国際的に地名度の高い艾氏だが、6月22日に保釈されるまで81日間にわたって秘密拘束された。拘束理由について当局は脱税容疑だと説明したが、艾氏は拘束期間中、自らが関わる人権運動について繰り返し尋問されたと述べている。

 追徴課税の支払い命令について、艾氏はAFPの取材に対し「今日になって通告文書を渡された・・・そこには、説明のようなものは一切なかった。この金額がどこから来たのか我々は尋ねたが、彼らは明確に答えられなかった」と語った。また「15日以内に支払わなければいけないと言われた。1日100万元(約1200万円)の計算だ。払わなければ投獄もあり得る。最高7年の禁錮刑だろう。どうしたらよいか、まったく分からない」と述べた。

  また艾氏は、徴税令状に対して異議申し立ても可能かもしれないが、支払ってからでないとそれもできないだろうと述べ、弁護士や税理士に相談するつもりだという。

 艾氏の母親は、艾氏の父親である故・艾青(Ai Qing)氏が残した家を売却すると申し出ている。艾青氏は中国共産党に称賛された詩人だったが、息子と同様に政治的迫害を受けた。(c)AFP