【10月24日 AFP】(一部更新)リビアの反カダフィ派「国民評議会(National Transitional CouncilNTC)」は最高指導者だったムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の拘束、死亡から3日を経た23日、リビア全土の解放を宣言した。これにより、暫定政権発足への道が開かれた。

 東部ベンガジ(Benghazi)で行われた式典で、NTCのアブドル・ハフィズ・ゴガ(Abdel Hafiz Ghoga)副議長は多数の群衆を前に、「リビアの解放を宣言する。顔を高くあげるがいい。あなたたちは自由なリビア国民なのだ」と呼びかけた。ゴガ副議長の呼びかけをうけて、群衆の間には「自由なリビア人」との声がこだました。ベンガジは8か月前に、反カダフィ派が蜂起した地だ。

 NTCのムスタファ・アブドルジャリル(Mustafa Abdel Jalil)議長は演説の中で、北大西洋条約機構(NATO)や近隣の同盟国に謝意を述べるとともに、リビアの自由のために命を落とした国民に最高の賛辞を贈った。

 式典には米仏の大使や英国、エジプト、スウェーデン、チュニジアなどの外交官も出席した。

 一方、世界経済フォーラム(World Economic Forum)に出席するためヨルダンを訪問中のマハムード・ジブリル(Mahmud Jibril)暫定首相はリビア解放に際し、暫定政権の樹立には1週間から1か月程度を要する見通しだと語った。

 NTCは、解放宣言から1か月以内に暫定政権を樹立し、8か月以内に制憲議会選挙を実施するとの工程表を示している。選挙が実施されれば、リビアでカダフィ大佐がクーデターで実権を掌握して以来、42年ぶりの民主的な選挙となる。その後、大統領選と国民議会選挙も1年以内に実施するという。

■大佐死因は「頭部への銃弾」、検視行われる

 ミスタラ(Misrata)軍事評議会広報のFathi al-Bashaagha氏は23日、カダフィ大佐の検視を行ったことを明らかにした。

 同氏は、AFPの取材に、「(23日の)朝に検視が行われた。われわれが検視を行う予定はなかったが、トリポリ(Tripoli)(のNTC)から、物事を確実に正しく行うよう要請があった」と語った。

 ジブリル暫定首相はヨルダンで、「検視官の報告書によると、(カダフィ大佐は)すでに負傷しており、拘束されてトラックに乗せられたが、野戦病院へ移動中に交戦に巻き込まれた」と述べ、報告書を疑問に付す理由はないと語った。また、「カダフィ大佐の頭部に命中した銃弾が、カダフィ大佐派部隊と(NTC側の)革命兵士のどちらが発砲したものか」については、わからないと述べた。(c)AFP

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