【10月12日 AFP】西アフリカのリベリアで11日、内戦終結後2度目となる大統領選挙の投票が行われた。7日にノーベル平和賞を受賞した現職のエレン・サーリーフ(Ellen Sirleaf)大統領(72)が再選を目指す。

 上下両院議会選の投票も併せて行われた。国連(UN)兵士や選挙監視団が見守る中、投票は何事もなく終了した。現在開票作業が行われている。

 今回の大統領選は、14年間の内戦を経たリベリアの脆弱(ぜいじゃく)な民主主義が試される場であり、2005年にアフリカ初の選挙で選ばれた女性大統領となったサーリーフ氏の事実上の信任投票とも受け止められている。

 孫もいるサーリーフ氏はこの日、ジーンズに帽子といういでたちで、酷暑の中、首都モンロビア(Monrovia)から60キロの出身地、フィーフィータウン(Fee Fee Town)の投票所の長蛇の列に並んだ。だが30分後に、投票が優先される「お年寄りの列」に案内された。

 サーリーフ氏は投票後、次のように話した。「リベリア国民の投票マナーの良さを大変誇りに思います。みんなが規律正しく、辛抱強く、列に並んで待っていました。混乱もありませんでした。国民は選挙権を行使できることに喜びを感じていたのです」

 一方、対抗馬である米ハーバード大(Harvard University)卒のウィンストン・タブマン(Winston Tubman)元法相(70)はモンロビアで投票を済ませ、「第1回投票での勝利を確信している」と自信を見せた。

■リベリア、もろい「平和」

 サーリーフ政権は首都の一部地域に電気や水道などのインフラを整備し、道路の補修も進めた。だが国の大半がいまだに極度の貧困状態にあり、基本的なサービスにさえ手が届かない状態だ。

 また、治安当局の整備も遅れており、治安については現在も国連リベリア派遣団(UNMIL)などの国際組織に全面的に頼っている。

 観測筋は、内戦の被害者が和解を模索したり、部族対立で時々死者が出る事態に発展したりする中、リベリアの平和は依然としてもろいと指摘する。

 サーリーフ氏は真実和解委員会(Truth and Reconciliation Commission)が出した勧告の実施に消極的だとして非難されてきた。同委は、サーリーフ氏がリベリア内戦を引き起こしたチャールズ・テーラー(Charles Taylor)元大統領を支持していたとして、同氏を「公職に就くことを禁止されるべき人物」のリストに加えている。(c)AFP/Fran Blandy and Zoom Dosso

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