【10月11日 AFP】ミャンマー国営メディアは11日、同国政府が6300人以上の受刑者に恩赦を与えて釈放すると発表した。この中に、政治犯も含まれているかどうかは明らかにしていない。

 発表は、政府が設置した「国家人権委員会」が「良心の囚人」の釈放を訴えた数時間後に行われた。ミャンマーの国営英字紙によると、国家人権委員会は「国家の安定に脅威をもたらさない囚人」を釈放し、国家建設に参加させるべきだと提言したという。

 国営テレビは、受刑囚6359人が12日から恩赦で釈放されると報じた。

■制裁解除につながるか

 ミャンマーでは民主化運動の活動家やジャーナリスト、弁護士など約2000人の政治犯が拘束されていると推定されている。政治犯の釈放は、対ミャンマー制裁を科してきた欧米各国にとって最重要の要求事項だった。

 新政権は前年11月に民主化運動指導者アウン・サン・スー・チー(Aung San Suu Kyi)さんの自宅軟禁を解除するなど、政府に批判的な勢力に歩み寄る兆しを見せてきた。

 カート・キャンベル(Kurt Campbell)米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は10日、ミャンマー政府の最近の動きを歓迎し、ミャンマーが民主化に向けた具体的な動きを示せば制裁の緩和につながる可能性があると述べた。

 政治犯が釈放されれば、ミャンマー政府がこれまでに見せた改革に向けたサインの中で最も明確なものになるだろう。(c)AFP