【10月4日 AFP】昨年のノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)受賞者で、現在服役中の中国の民主活動家、劉暁波(Liu Xiaobo)氏(55)が前月、父親が死去した後に一時的に帰宅を許されていたことが分かった。劉氏の弟の劉暁暄(Liu Xiaoxuan)氏が4日、AFPの取材に語った。

 劉暁波氏は父の死去から7日目の9月18日に帰宅したという。死後7日目の法要は、中国文化で重視されており、家族たちが集まって故人をしのぶ日となっている。中国では死後3日後に葬儀を行い、7日目に法要を行うことが多い。

 劉暁暄氏は、劉暁波氏の一時釈放に同行できたのは兄弟のうち劉暁光(Liu Xiaoguang)氏だけで、自身や他の兄弟たちは劉暁波氏の姿を見ていないと語った。「(劉暁波氏が)家でどのように過ごしたか、何日滞在したか、などの詳細について話すのに私は適当でない」(劉暁暄氏)

■刑務所で面会も

 だが、劉暁暄氏は9月28日に他の兄弟2人とともに、服役中の劉暁波氏に面会することができたと述べ、「とても体調がよさそうに見えた」と付け加えた。前年10月のノーベル平和賞発表以来、事実上の自宅軟禁下にある劉暁波氏の妻の劉霞(Liu Xia)さんも、8月に劉暁波氏に面会することができたという。

 劉暁暄さんはそれ以上の詳細を語らなかった。AFPは劉暁波氏が服役する刑務所のある遼寧(Liaoning)省の錦州(Jinzhou)の警察署と中国公安省に電話で取材を試みたが、回答は得られなかった。

 服役中の劉氏についてのニュースが報じられたのはほぼ1年ぶり。国家政権転覆扇動罪で懲役11年の実刑判決を受けて服役中の劉氏が一時釈放されたのは異例だ。(c)AFP/Sebastien Blanc