【10月1日 AFP】米国防総省は9月30日、同性間の結婚が合法とされている州であれば、米軍の牧師が同性婚の結婚式を執り行えるようになったと発表した。

 州法や地方の関連法規で禁じられていない結婚式に限り、軍施設の内外で行われる私的な結婚式を軍の牧師が司式することが可能になった。

 ただし国防総省は、個人的あるいは宗教的信念に反する私的な結婚式に立ち会うことを軍の牧師が求められることはなく、また軍の牧師が私的な結婚式に参加した場合でも、米国防総省がその結婚式を是認したことにはならない、としている。

 現在、米国ではコネティカット(Connecticut)、アイオワ(Iowa)、マサチューセッツ(Massachusetts)、ニューハンプシャー(New Hampshire)、ニューヨーク(New York)、バーモント(Vermont)の6州とコロンビア特別区(District of Columbia)で同性婚が認められている。

 しかし連邦政府は同性婚を認めていないため、同性のパートナーを持つ兵士は、健康保険などの面で異性婚の夫婦が受けているのと同じ便益を受けられないでいる。

 1993年に採択されたいわゆる『聞かない言わない(Don't Ask, Don't Tell)』方針のもとでは、軍内部で同性愛者であることを公言すれば除隊させられる恐れがあり、約1万4000人が除隊処分を受けた。この軍務規定は国防総省が今回の発表を行った10日前の9月20日に撤廃された。(c)AFP