【9月29日 AFP】サウジアラビアのアブドラ・ビン・アブドルアジズ(Abdullah bin Abdul-Aziz)国王が、女性の自動車運転を禁じるファトワ(宗教令)に反した女性に26日に言い渡されたむち打ち10回の刑の撤回を命じた。ワリード・ビン・タラール(Alwaleed Bin Talal)王子の妻、アミラ・タウィール(Amira al-Taweel)王女が28日、マイクロブログのツイッター(Twitter)で明らかにした。

 むち打ち刑が言い渡されていた女性は、シェイマ・ジャスタニア(Sheima Jastaniah)被告。7月に紅海沿岸のジッダ(Jeddah)で車を運転中に逮捕され、同市で26日に有罪判決を受けた。人権活動家によると、ジャスタニア被告は控訴する意向を示していた。

 サウジアラビアは保守的なイスラム教国で女性に多くの制約が課されているが、判決の前日には同国史上初めて、女性の参政権と地方自治体選挙への立候補、国王による任命制議会である諮問評議会への女性参加を認めることを、国王が発表したばかりだった。

 同国では6月17日、女性の運転禁止に対する抗議行動が呼び掛けられ、米SNSフェイスブック(Facebook)やツイッターを通じて全国に広がった。同国に女性の運転を禁止する法律はないが、1990年11月に抗議の意を表するためハンドルを握った女性たち47人が逮捕され重い罰を科された後、内務省がファトワに基づいて女性の運転を禁止している。(c)AFP

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