【9月23日 AFP】米軍制服組トップのマイケル・マレン(Mike Mullen)統合参謀本部議長は22日、暴力的な過激思想を「代理組織」を通じてアフガニスタンに輸出しているとしてパキスタン政府を非難し、駐留米軍防衛のためには実力行使も辞さないと警告した。

 米上院軍事委員会の公聴会で証言したマレン議長は、パキスタン軍3軍統合情報部(ISI)が武装組織「ハッカニ・ネットワーク(Haqqani Network)」を積極的に支援しており、同ネットワークはISIの「正真正銘の片腕」として行動していると名指しで非難。かつてなく厳しい口調でパキスタン政府を批判した。

 ハッカニ・ネットワークは、ソビエト連邦がアフガニスタンに侵攻した1980年代には米中央情報局(CIA)と協力関係にあり、CIAから軍事資金や武器供与を受けていた。だが、後に国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の同盟組織に転じ、現在のアフガニスタンで最も危険なタリバン(Taliban)系一派となっている。前週、カブール(Kabul)で起きた米大使館襲撃事件もハッカニ・ネットワークの犯行とみられている。

 マレン議長は、ISIの支援を受けたハッカニ・ネットワークによる犯行として、今月アフガニスタンで米兵77人が死亡した北大西洋条約機構(NATO)基地でのトラック自爆攻撃、首都カブールのNATO本部や米大使館襲撃、6月のインターコンチネンタル・ホテル(InterContinental hotel)襲撃などを挙げ、「彼らがわが軍への殺りくを続けるならば、ただ座って見ているだけというわけにはいかない」と述べた。

 米当局者は最近、相次いでハッカニ・ネットワークに対し何の行動も起こさないパキスタン政府を非難しており、米国が実力行使に出る可能性も指摘されている。(c)AFP/Dan De Luce