【9月21日 AFP】米ニューヨーク(New York)の国連(UN)本部で20日、リビア問題首脳級会合が開かれ、同国の反カダフィ勢力の連合体「国民評議会(National Transitional CouncilNTC)」のムスタファ・アブドルジャリル(Mustafa Abdel Jalil)議長がリビア代表として国連で演説した。

 アブドルジャリル議長は、8か月に及んでいる戦闘が2万5000人の「殉教者」を生み、少なくとも5万人が負傷したと各国首脳に語り、カダフィ政権に対する制裁を決議した国連と「リビア革命の成功」を支援したすべての国に謝意を示した。

 国連と各国の指導者たちは、リビアの最高指導者だったムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐の支持派が依然として支配している地域を攻略して民主化と自由選挙へと歩みを進めようとする国民評議会に全面的な支持を表明した。

 アブドルジャリル代表は、NATOによる空爆については触れずに、カダフィ派が展開した「膨大な量の武器」に対抗するには国際社会の支援が極めて重要だったと述べ、新生リビアは地域の平和と安全を尊重する「活気ある」民主国家を目指すと述べた。さらに、拘束していたカダフィ政権の多くの高官たちのうち一部は解放されていると述べ、その多くは「公正な裁判」を受けることになると明言した。

 アフリカ連合(AU)は同日、数週間にわたって加盟国を二分した議論を経て、国民評議会をリビアの正統政府として承認し、アブドルジャリル代表にとって新たな追い風となった。国連の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は「最優先事項は、平和と安全だ」と述べた。

 米国のバラク・オバマ(Barack Obama)大統領は、「リビア国民が脅かされている状況が続く限り、北大西洋条約機構(NATO)が主導する、彼らを守るという使命は続く。抵抗を続けている者たちは理解せねばならない。旧政権は終わったのだ。今は武器を置き、新生リビアに加わる時だ」と述べた。さらにオバマ大統領は、リビアの首都トリポリ(Tripoli)の米国大使館を再開すると述べた。
 
 フランスのニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)大統領は、「これからの国際社会はただ声をあげるだけではなく、民主主義のために、必要なところでは行動を起こし、必要とあれば武器をとるということを、全ての独裁者に理解させよう」と述べ、強権的な政権に対する民衆蜂起が起きたアラブ諸国全てへの支援を呼びかけた。(c)AFP/Tangi Quemener