米空軍、F22ラプターの飛行再開へ 4か月ぶり
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【9月20日 AFP】米空軍(US Air Force)は19日、酸素システムへの懸念から4か月間にわたって飛行が禁止されるという異例の事態になっていた米最新鋭ステルス戦闘機「F22ラプター(F-22 Raptor)」の飛行を再開させると発表した。
ノートン・シュワルツ(Norton Schwartz)米空軍参謀総長は声明で「我々は最近の研究と調査から、飛行再開は賢明かつ適切であるという十分な知見を得た。我々は搭乗員たちのリスクを管理しており、F22の酸素システムの性能改善のための研究とデータ収集を続ける」と述べた。
米空軍の声明によると、F22ラプターのパイロットが「低酸素症様の症状」を報告する事例が、3年間で個別に12件あったことから、5月3日にラプターの飛行を禁止する措置を取っていた。ある事例では、着陸前に機体が木の上部に接触したもののパイロットはそのことを思い出せず、酸素不足の可能性が示唆されていた。
専門家によると、空軍は入念な安全調査を行ったが原因の特定に苦労した。空軍は、「飛行再開前に生命維持システムの入念な検査を行う。その後も毎日、検査を行う」と述べた。さらに、パイロットには追加の保護装備を使用させるとともに、生理学的検査も受けさせるという。
今回の決定によってF22ラプターは高度5万フィート(1万5200メートル)での飛行が認められる。1月から4月までは高度2万5000フィート(約7600メートル)を超える飛行は認められていなかった。
米空軍は約160機のF22ラプターを所有しており、合計で187機の製造が予定されている。F22は北大西洋条約機構(NATO)主導のリビア空爆や、アフガニスタンやイラクでの戦争では使われていない。(c)AFP