【9月20日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は19日、歳出削減と税制改革を盛り込んだ3兆ドル(約230兆円)の財政赤字削減案を発表した。このなかで、オバマ大統領は富裕層への増税で1.5兆ドル(約115兆円)を捻出するとしており、同案が共和党からの反発を招くことは必至だ。

 ホワイトハウス(White House)のローズガーデン(Rose Garden)で行った演説で、オバマ大統領は歳出削減と増税を盛り込んだ3兆ドル(約230兆円)の財政再建案を発表。「これは階層間の戦いではなく、算数の問題だ」と訴え、経済的に余裕のある人々への増税を実施しなければ、未来の米国人に暗い影をなげかけている財政赤字の削減は決して達成されることはないと力説した。

 オバマ大統領の財政再建案は、11月を期限として1.5兆ドルの財政赤字削減を協議している米議会の特別委員会へも影響をおよぼすこととなりそうだ。

 財政再建案のなかには、1.2兆ドル(約92兆円)の歳出削減も含まれているが、これは米債務の上限引き上げに反対する共和党側との対立を終結させる妥協の一環として、8月にオバマ大統領が合意したものだ。

 このほかにも、歳出の見直しで5800億ドル(約44.5兆円)の経費を削減できると主張。高齢者向け医療保険制度および低所得者層向け医療保険制度の見直しで、それぞれ2480億ドル(約19兆円)と720億ドル(約5.5兆円)の経費を節約できるという。

 また、アフガニスタンとイラクの米軍規模縮小などで国防費1.1兆ドル(約84兆円)の削減を見込んでいる。

 税制改革でも1.5兆ドルを捻出するほか、利子運営で、さらに4300億ドル(約33兆円)を捻出できる見通しだという。(c)AFP/Stephen Collinson