【9月13日 AFP】野田佳彦(Yoshihiko Noda)首相は13日、衆院本会議で就任後初の所信表明演説を行い、円高で日本の産業が「空洞化」し、東日本大震災の被災地の復興が遅れる危険性があると述べた。

 野田首相は、財政悪化で国家の信用が損なわれる瀬戸際にあると指摘し、復旧・復興の財源は次世代に負担を先送りせず、今を生きる世代で連帯し、負担を分かちあうべきだと述べ、歳出削減や国有財産売却、公務員人件費の見直しなどの努力をした上で、「時限的な税制措置」を検討すると語った。また大震災からの復興を加速させ、日本経済を回復させるための戦略を年内にまとめると表明した。

 多数の避難者を出した原発事故の危機が続く中、おおまかで具体的な内容が少なかった演説の中で野田首相は、日本のエネルギー政策を「来年夏まで」に白紙から再検討すると約束。日本は原子力エネルギーへの依存度を可能な限り引き下げていくべきだと述べた。

 一方、不人気だった菅直人(Naoto Kan)前首相が主張していた将来の「脱原発」について野田首相は触れず、現在停止中の原発は定期検査終了後に再稼働を進めると述べた。(c)AFP/Huw Griffith