【9月6日 AFP】英国のトニー・ブレア(Tony Blair)元首相が、米メディア大手ニューズ・コーポレーション(News Corp)のルパート・マードック(Rupert Murdoch)会長兼最高経営責任者(CEO)の娘のゴッドファーザー(教父)だったことが5日、明らかになった。マードック氏のメディア帝国と英政界とのつながりに新たな疑問を投げかけそうだ。
 
 マードック氏の3人目の妻であるウェンディ・デン(Wendi Deng)さんが、8日発売のファッション誌「ヴォーグ(VOGUE)」英国版10月号に掲載されるインタビューのなかで語ったもので、ブレア氏は、昨年3月にヨルダン川(River Jordan)の近くで行われたマードック夫妻の2人の娘、グレース(Grace Murdoch)ちゃん(9)とクロエ(Chloe Murdoch)ちゃん(8)の洗礼式に立ち会ったという。

 ブレア氏とニューズ・コーポレーションのそれぞれの広報担当者は、いずれもこのインタビュー記事へのコメントを拒否しているが、ニューズ社に近い複数の人物とブレア氏に近いある人物がAFPに対し、ブレア氏はグレースちゃんのゴッドファーザーであることを確認している。

 マードック氏傘下の英日曜大衆紙「ニューズ・オブ・ザ・ワールド(News of the World)」が電話盗聴スキャンダルで7月に廃刊に追い込まれてから2か月が経ったいま、ブレア元首相とオーストラリア生まれのマードック氏の近しい関係を示す新たな情報が浮上する形になった。

 5日の英紙デーリー・テレグラフ(Daily Telegraph)に掲載されたヴォーグ誌インタビューの抜粋によると、ブレア氏は白い服を着て、ウェンディ夫人の「親友」の1人として洗礼式に参列したという。

 この時、ハリウッドスターのニコール・キッドマン(Nicole Kidman)さんとヒュー・ジャックマン(Hugh Jackman)さんが、マードック夫妻の娘たちのゴッドペアレンツとして式に参列していたことは公になっていたが、公開された写真にブレア氏が写ったものはなかった。ヴォーグによると、洗礼式はヨルダンのラニア王妃(Queen Rania)の主催で行われた。(c)AFP