「ロシアは一つ」 ハーレーにまたがるプーチン首相、オートバイ集会で演説
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【8月31日 AFP】ロシアの黒海(Black Sea)沿岸の港湾都市ノボロシースク(Novorossiisk)で29日、旧ソ連軍の軍艦上で開かれたオートバイ乗りたちのイベントに、全身を黒い服で固めたウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相が米国製バイク、ハーレーダビッドソン(Harley-Davidson)にまたがって登場し、「ロシアは一つ」と高らかに演説した。
オートバイのライトから夜空に光線がのびる中、バイク愛好家で知られるプーチン氏は、オートバイ乗りたちの大集会に現れた。プーチン氏が乗っていたのは、前年ウクライナの同様のイベントでも乗っていた、改造メーカー、リーマントライク(Lehman Trike)が手がけた三輪ハーレーのようだ。
バイク愛好家たちの歓声を受け、プーチン氏は登場するやいなやステージに上がり、愛国心と歴史的記憶、そしてオートバイを組み合わせた扇動的な演説を行った。
「君たちに伝えたい、兄弟たちよ。君たちが今も、昔の英雄伝を忘れていないことは非常に素晴らしい」と述べたプーチン首相は、第2次世界大戦中の68年前、ナチス・ドイツ軍による占領からのノボロシースク解放に触れ、こう続けた。「この時の歴史のページは、オートバイと鮮やかにつながっている。子どもたちを銃撃戦から逃がすのに最も簡単な方法は、オートバイに乗せることだったのだ。この歴史の記憶こそが、多様な人びと、民族、宗教を一つのロシアという国家に結びつけ、大ロシアをつくり出す絆だ!」
さらにプーチン首相は、ノボロシースクを防衛した人々のスローガンは偉大だとたたえた。「それは今日もバイカーたち、そしてロシアに関連のある言葉だ─『前進あるのみ!』」
オートバイは、プーチン首相のトレードマークである「タフガイ」のイメージにぴったりだ。この「タフガイ」のイメージは、次期大統領選に向けてプーチン氏が、いまも自らがロシアの権力者であることを誇示する中、国民にいっそう浸透している。
このイベントは、オートバイ集団「ナチヌイエ・ボルキ(夜の狼たち、Night Wolves)」が主催した。タス通信(ITAR-TASS)はこの集会について「愛国的な志向の国際バイクショー」と伝えている。(c)AFP