【8月14日 AFP】「ベルリンの壁」の構築開始から50年を迎えた13日、独ベルリン(Berlin)で追悼式典が行われ、壁を越えて西側へ逃れようとして死亡した人びとを追悼して1分間の黙とうが捧げられた。

 ベルリンの壁は1961年8月13日の日曜日の未明に建設が始まった。夏の休日を楽しむ人びとの不意をつくことができるだろうと旧東ドイツ当局が考え、この日を選んだという。

 追悼式典にはクリスチャン・ウルフ(Christian Wulff)大統領と旧東ドイツで育ったアンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相、クラウス・ヴォーヴェライト(Klaus Wowereit)ベルリン市長が出席し、式典のもようは全国にテレビ中継された。式典後にはベルリンの壁があった場所に建つ教会で礼拝が行われた。

 ドイツ連邦議会議事堂(Reichstag)には半旗の国旗が掲揚され、正午には教会の鐘の音とともに、1961年から壁が崩壊した1989年までの28年間に壁を越えようとして死亡したことが確認されている136人を追悼してドイツ全土で1分間の黙とうを捧げるよう呼びかけられた。東側から壁を越えようとして死亡した人の総数は600~700人に上る。

 正午にはベルリンのバスや列車が3分間運行を停止し、地元ラジオ局は番組を中断した。

 ベルリンの壁は一部を残してほとんど撤去されており、残っているのは合計で3キロメートルほど。壁が残っている場所は歴史資料として保存・修復がなされている。壁の残る場所には13日、多くの花が捧げられた。

 ドイツの新聞やテレビは、ベルリンの壁構築開始から50年になるのを前に、壁を越えようとした人びとのインタビューや壁の歴史をめぐるドキュメンタリーを連日伝えていた。(c)AFP