【8月13日 AFP】フィリピンの2007年の上院選で落選したとされていた候補者が、逆転当選の決定を受け、12日に4年遅れの就任宣誓を行った。

 ミンダナオ(Mindanao)島選出のアキリノ・ピメンテル(Aquilino Pimentel)上院議員(47)は、2007年の上院選に立候補した。しかし当初は与党のミゲル・ズビリ(Miguel Zubiri)氏が当選したとされた。

 しかし、ピメンテル氏は不正投票があったと主張していた。上院選法廷は今週、同一人物が署名したとみられる票が約4万7000票もあるなど、集計から除外すべきだった票が30万票以上あったと結論づけ、ピメンテル氏がズビリ氏に25万8000票以上の差をつけて当選していたという最終的な判断を下した。

 不正に当選したという証拠が増えるなかズビリ氏は今週、議員辞職した。フィリピンは政界をはじめ社会の各所に汚職がはびこっており、これが貧困から脱却できない理由の1つだとされている。

 2010年に任期を終えたグロリア・アロヨ(Gloria Arroyo)前大統領には、本人は否定しているものの、大がかりな選挙違反をして2004年の大統領選挙で当選したという疑惑がつきまとっている。ピメンテル氏は、残りの任期2年を務めた後も、もう一度立候補して、議員として選挙違反の根絶に取り組んでいきたいと抱負を語った。(c)AFP