【8月8日 AFP】中国当局に身柄を拘束され6月に保釈された著名芸術家、艾未未(アイ・ウェイウェイ、Ai Weiwei)氏(54)が6日、保釈されてから初めてツイッター(Twitter)につぶやきを投稿した。翌7日にも、「今日の昼食は餃子10個。3キロ太った」などとつぶやいている。

 中国当局はツイッターへの国内からの接続を遮断しているが、多くのユーザーが仮想プライベートネットワーク(VPN)を経由してアクセスしている。

 艾氏は4月3日、北京(Beijing)の空港で香港(Hong Kong)行きの航空機に搭乗しようとしたところ、身柄を拘束された。

 拘束理由について当局側は脱税容疑だと説明としているが、人権団体は、艾氏がこれまで中国共産党に批判的な言動を取ってきた点を指摘し、2月に当局が開始した活動家らの一斉取締りの一環だと主張している。

■拘束中の状況は語らず

 中国政府は、拘束中の艾氏の「模範的な態度」、拘束された理由を認めたこと、脱税金額を支払う意思を示していること、糖尿病を患っていることを理由に、6月22日に艾氏を釈放した。

 拘束されていた3か月間、艾氏がどういう状況にあったのかはほとんど明らかになっていない。保釈条件には艾氏がメディアのインタビューに応じたり、当局の許可なしに北京を離れたりしないことが含まれているとされる。

 艾氏は前月、ベルリン芸術大学(Berlin University of the Arts)の客員教授の職に就くことが決まり、「将来は何か重要なことに貢献できるようがんばりたい」と語る一方で、中国を出国できるかどうかは不透明だと話している。艾氏が拘束された直後に客員教授就任を打診したベルリン芸術大学は、「芸術の自由、ひいては芸術家の自由のために立ち上がった」と説明している。

 一方、中国当局は、デザイン会社「Beijing Fake Cultural Development」を脱税容疑で摘発した。当局側は、この会社は艾氏の管理下にあると主張している。(c)AFP