【8月2日 AFP】(写真追加)米下院は1日夜、デフォルト(債務不履行)を回避するために債務上限を引き上げる一方で、大幅な歳費削減を盛り込んだ法案を賛成269票、反対161票の賛成多数で可決した。

 バラク・オバマ(Barack Obama)大統領が前日に与野党幹部と合意した妥協法案は、債務の上限を引き上げる代わりに、今後10年間で歳出を約2兆4000億ドル(約185兆円)削減するという内容。

 法案は与党・民主党が多数を占める上院での採決を待つばかりたが、共和党が多数派の下院と比較して、法案が通過するための障害は少ないとみられる。

 これにより、世界経済を混乱に陥れかねない米国のデフォルトは、債務上限引き上げ期限の3日午前0時(日本時間午後1時)が翌日に迫ったぎりぎりのところで回避される見通しとなった。デフォルトが回避できなければ、世界一の経済大国である米国は、米国債の償還で財源が枯渇するところだった。

■銃乱射事件で負傷のギフォーズ議員も採決に参加

 一方、下院での採決には、1月に米アリゾナ(Arizona)州トゥーソン(Tucson)の銃乱射事件で頭に銃弾を受け重傷を負ったガブリエル・ギフォーズ(Gabrielle Giffords)議員が事件後、初めて出席して採決に参加。議員らは全員立ち上がり、拍手でギフォーズ議員の復帰を歓迎した。(c)AFP/Olivier Knox and Shaun Tandon