【7月28日 AFP】中国国防省の耿雁生(Geng Yansheng)報道官は27日記者会見し、存在が指摘されていた同国初の空母は訓練と研究に使用する予定だと述べた。中国の軍拡に対する諸外国の懸念が高まるなか、空母の能力を小さく見せようとしたようだ。

 中国は最近になって、旧ソ連の空母「ワリャーグ(Varyag)」を、中国初の空母とすべく大連(Dalian)で改造している事実を認めた。南シナ海の島々の領有権をめぐる緊張が高まり、中国が急速に軍事力を強化して領有権の主張を強めるのではないかとの懸念が近隣国などから出ているなか、中国の空母はこの地域の新たな懸念材料になっていた。

 記者から、空母によって中国の軍事力は大幅に強化されるのかと質問された耿報道官は、「空母の役割については、過大評価しても過小評価しても、どちらも正確ではない」と答えるにとどめた。

 中国の空母建造については、人民解放軍の陳炳徳(Chen Bingde)総参謀長が6月初めに、香港紙とのインタビューの中で初めてその存在を認めた。

 だが各メディアや軍事アナリストらは数年前から、中国が全長300メートル程度の空母を建造中だと指摘していた。

「ワリャーグ」は旧ソ連海軍の空母として建造中だった1991年にソ連が崩壊し、建造が中断していた。中国は1998年に、エンジン、電気系統、プロペラが装備されていないにも関わらず「ワリャーグ」をウクライナから購入したと言われている。

 中国国営テレビは27日、大連に停泊している「ワリャーグ」の映像を流した。

 耿報道官は「ワリャーグ」を正式に公開する時期は明らかにしなかったが、軍事では国防を重視した平和的な方針をとるという中国の見解に変わりはないと強調した。(c)AFP/Marianne Barriaux