【7月26日 AFP】法律で離婚が禁止されている地中海の島国マルタの議会は25日、5月の国民投票で離婚合法化への賛成が過半数を占めたことを受け、離婚を合法化する法案を賛成52、反対11、棄権5の賛成多数で可決した。

 ローレンス・ゴンジ(Lawrence Gonzi)首相と与党・国民党は反対に回ったが、賛成が圧倒的多数を占めた。この法律は、裁判所の判決に基づく4年間の別居を離婚の条件にしている。議会での論戦では子どもの養育権も焦点になった。同法は大統領の承認を経て10月に施行される。 

 国民の約95%がカトリック教徒であちこちに教会があるマルタは、欧州連合(EU)加盟国のなかで離婚を禁じている唯一の国。世界で離婚を違法としている国は、マルタのほかにはバチカン市国とフィリピンの2か国だけだ。

 マルタでは裁判所の判決を受けて別居する夫婦は少なくないが、現在の法律ではカトリック教会の聖職者による審議で認可された離婚しか認めていない。この離婚手続きは非常に複雑で8年あまりを要する。唯一の例外として、外国人と結婚したマルタ人か、海外に永住したマルタ人だけは現在でも離婚が認められている。(c)AFP/Matthew Xuereb

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