【7月11日 AFP】韓国の北朝鮮情勢サイト「デイリーNK(Daily NK)」は11日、北朝鮮が首都平壌(Pyongyang)に住宅10万戸を新築するため、大学生に学業を中断して建設作業に従事するよう命じたと伝えた。

 この新築住宅群は、故金日成(キム・イルソン、Kim Il-Sung)国家主席の生誕100周年記念式典に合わせ、2012年4月に建設完了を予定している。しかしデイリーNKによれば、資金難と建設物資不足により工期が大幅に遅れており、大学生と兵士の動員が決まった。6月半ばに、大都市の大学生たちに「社会主義建設の動員令」が出され、平壌の建設現場で働くよう命令があったという。

 同サイトは、平壌の情報筋の話として、学生たちは少なくとも2か月以上、建設作業に従事することになると伝えている。北朝鮮全土で大学が閉鎖される事態にはなっていないが、学生動員が長期化する可能性は十分にあるという。

 韓国政府高官は6月、この新築住宅群について、わずか500戸しか完成していないと述べていた。

 韓国メディアによると北朝鮮では、故金日成主席の遺体が安置されている平壌の錦繍山記念宮殿(Kumsusan Memorial Palace)に向かう道路や景観を改善する大規模工事が、4月に完了した。全長23メートルの金日成像の修繕も進められており、また万寿台(Mansudae)地区では特権階級のエリートが暮らすための77階建てのマンションの建設計画も進行中だという。(c)AFP