【7月11日 AFP】ベトナムの首都ハノイ(Hanoi)で10日、中国への抗議行動を行っていたデモ隊を警官隊が強制排除し、少なくとも10人の身柄を拘束した。

 南シナ海(South China Sea)海域の領有権問題をめぐりベトナムと中国の緊張関係の高まりに端を発した反中デモをベトナム当局が取り締まるのは今回が初めて。

 10日朝、デモ隊がハノイの中国大使館前に到着すると、待ち構えていた警官隊がデモ隊を公共バスに押し込み、警察署に連行した。連行された拘束者らは「何もしてないのに!」などと叫んでいた。 

 拘束者のなかにはNHKのベトナム人カメラマンも含まれていたが、後に釈放されたという。
 
 5週間前から毎週末行われている反中デモは、中国への不満を市民が表明する手段として、当局も容認してきた。だが、ここにきてデモ取り締まりに転じた背景には、ベトナムが中国と前月末に行った協議で南シナ海問題は「平和的」に解決すると合意したことがあるとみられる。(c)AFP/Ian Timberlake

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