【6月20日 AFP】ロバート・ゲーツ(Robert Gates)米国防長官は19日、アフガニスタンにおける軍事作戦の政治的解決を目指し、米政府が同国旧支配勢力タリバン(Taliban)と対話を始めたことを認めた。ただし、今後数か月間、大きな前進は見込めないと話している。

 アフガニスタンでの軍事作戦が10年目に突入する中、米国内では、厭戦ムードが広がりつつある。また、来月から段階的に始まるアフガニスタン駐留米軍の撤退について、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)最高指導者のウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者らが最近相次いで殺害されたことを受け、早期完全撤退を求める声が高まりつつある。

 複数の米政府高官は米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に、情報機関が狙っているアルカイダの重要人物30人のうち、過去18か月で20人が殺害されたと話している。

 今月末に退任するゲーツ長官は同日、CNNのインタビューに、先ごろカンダハル(Kandahar)とヘルマンド(Helmand)州にあるタリバンの拠点を無力化した事実を引き合いに出し、「オバマ(Barack Obama)大統領にとっては、駐留米軍の撤退規模に関して選択肢が広がった」と述べた。

 だが、もともと早期完全撤退には慎重なゲーツ長官は、「(大統領の)決断がどのようなものであれ、アフガニスタンには多くの軍隊が残ることになるだろう。完全撤退には政治的な根拠がなければならない」と加えた。(c)AFP/Michael Mathes

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