【6月15日 AFP】米陸軍が兵士の制服として10年間にわたって採用してきた黒いベレー帽が、兵士の間で不評のためキャップ帽に代えられることになったと、同陸軍報道官のトム・コリンズ(Tom Collins)大佐が13日、明らかにした。

 マーティン・デンプシー(Martin Dempsey)参謀長が退任にあたって、幅広く兵士の本音を聴くよう指示したところ、兵士から繰り返し寄せられたのが、勤務中はベレー帽ではなくキャップ帽を着用したいとの要望だった。

 つばのないベレー帽は日よけにもならず、吸汗機能もなく、頭に湿疹ができることもあると不評で、なかには「湿った靴下を頭にかぶっているようで、気持ちが悪い」との声もあった。

 今後も正式な制服はベレー帽となるが、兵士から実用的でないとの苦情が多かったため、戦場や野外勤務地で着用する義務はなくなる。

 新しく導入されるパトロールキャップの対象となる兵士は、現在、戦地で展開している56万6473人を含む132万人。ベレー帽に要したコストは1個あたり11ドル90セント(約960円)だったのに対し、パトロールキャップは6ドル50セント(約520円)ですむ。

 陸軍が黒いベレー帽を取り入れるようになったのは2001年からで、それ以前は米軍のベレー帽といえば、エリート特殊部隊のトレードマークだった。このため、陸軍全兵士の制服としてベレー帽の採用が決まったことを、快くは思わない特殊部隊員も少なくなかったという。(c)AFP