【6月10日 AFP】米国のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官が世界銀行(World Bank)の次期総裁を目指してホワイトハウス(White House)と協議しているとロイター(Reuters)通信が報じたことについて、米高官らは相次いで、そのようは話は全くないと報道を否定した。

 ロイターは9日、クリントン長官が、2012年半ばで任期が切れるロバート・ゼーリック(Robert Zoellick)現総裁の後任を務めるため、国務長官職を来年で辞任する方向でホワイトハウスと協議を進めていると報じた。

 これについて、クリントン長官のアドバイザー、フィリペ・レインズ(Philippe Reines)氏はAFPに対し、「100%、間違った記事だ」と言い切り、ホワイトハウスのジェイ・カーニー(Jay Carney)大統領報道官も「全く真実ではない」と語った。

 世界銀行の総裁は慣習的に、これまで米国人が務めている。また、AFPも今週初め、世銀関連筋からクリントン氏就任の可能性を模索しているとの情報を得ている。

 この情報筋は、過去数か月の間、米財務省からクリントン氏の総裁就任を示唆する動きが見られることから、クリントン氏の世銀総裁就任は「かなり信憑性のある仮説だ」と話していた。

 これに対し、財務省報道官は肯定も否定もせず、ノーコメントとのみ答えた。

 クリントン氏の世銀総裁就任報道の背景には、これまでクリントン氏が国務長官職は1期で終えると公言してきたことがある。(c)AFP

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