【6月9日 AFP】イラン国営テレビのウェブサイトによると、イランの原子力庁長官は8日、濃縮度20%の濃縮ウランの製造作業を、年内に現在の中部ナタンツ(Natanz)から、09年に存在が明らかになったテヘラン南方約150キロのフォルド(Fordo)へ移し、同濃度のウランの製造能力を3倍に強化すると発表した。

 イラン原子力庁のフェレイドン・アッバシ・ダバニ(Fereydoon Abbasi Davani)長官は、国際原子力機関(IAEA)の監視の下、「濃縮度20%ウランの製造を今年、ナタンツからフォルドへ移行する。わが国はまたその(製造)能力も3倍に強化する。20%濃縮ウランの製造水準が現在の3倍となるまで、ナタンツでの製造も停止しない」と発表した。

 現在、イランはウラン濃縮作業をナタンツの濃縮施設で行っており、定期的にIAEAが査察している。

 フォルドの各施設は、テヘラン南方150キロに位置するシーア派聖地の都市コム(Qom)に近い山の奥深くに、秘密裏に建設を進められていたもので、2009年に存在が発覚した。(c)AFP/Mohammad Davari