【5月29日 AFP】2009年6月のクーデターで大統領の座を追われたホンジュラスのホセ・マヌエル・セラヤ(Jose Manuel Zelaya)氏(58)が28日、ほぼ2年ぶりにホンジュラスの首都テグシガルパ(Tegucigalpa)に戻り、大勢の支持者から熱烈な歓迎を受けた。

 妻と側近を伴ってベネズエラの飛行機でニカラグアの首都マナグア(Managua)からテグシガルパの空港に到着したセラヤ氏は、トレードマークの白いカウボーイハット姿で飛行機を降りると、その足で大勢の支持者が待つ空港近くの広場に向かった。

 クーデターによってホンジュラスは外交的に孤立していたが、前週、ポルフィリオ・ロボ(Porfirio Lobo)現大統領とセラヤ氏はコロンビアで、南米7か国が仲介した和解協定に署名していた。

 ロボ大統領とセラヤ氏は近くホンジュラスの大統領府で、米州機構(Organization of American StatesOAS)のホセ・ミゲル・インスルサ(Jose Miguel Insulza)事務総長、コロンビアのマリア・アンヘラ・オルギン(Maria Angela Holguin)外相を交えて会談する。

 セラヤ氏は2006年1月の大統領選挙で当選。元々は保守的な牧場経営者だったセラヤ氏だが、就任後は左派的な傾向を強めた。憲法改正のための国民投票を実施しようとしたところ、大統領再選を目指す動きととして与野党から批判を受け、クーデターにつながった。クーデター後の暫定政権は大統領選挙を行い、2010年1月にロボ大統領が就任した。

 帰国したセラヤ氏は、クーデター後に組織された全国国民抵抗戦線(FNRP)を率いる。幅広い人気を誇るセラヤ氏だが、大統領再選を禁じた憲法の規定により2013年の大統領選に立候補することはできない。セラヤ氏支持者の間では、シオマラ・カストロ・デ・セラヤ(Xiomara Castro de Zelaya)夫人(51)の大統領選出馬を期待する声が出ている。(c)AFP/Francisco Jara

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