【5月22日 AFP】ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)首相が、狩猟や釣りの愛好家向けの米専門誌「アウトドア・ライフ(Outdoor Life)」18日号のインタビューに答え、趣味の釣りへの情熱を語り、アウトドア・ライフの素晴らしさを称えた。

 この珍しいインタビューは、プーチン氏自らが時々コラムを執筆しているロシア誌「Russky Pioner(ロシアのパイオニア)」に、原語のロシア語でも掲載された。「(アウトドア)スポーツが私に与えてくれるもの、健康なライフスタイルという習慣や自然の中に身を置く機会などを、ますます大事に思うようになっている」と述べるプーチン氏は、筋肉隆々の上半身裸で釣りをする姿が撮影され、話題になったこともある。

「釣りは私にとって身近で、非常に好きだ。釣り糸を垂らせる機会は・・・残念ながらたまにではあるが、常に生かすようにしているよ。仕事のおかげで釣りができるときもあるのは確かだ。そうでなければ、アメリカで私が釣りをすることなんてできないだろう? 首脳同士で釣りに行くなんてことは、いわずもがなだ」。プーチン首相が最近、公の前で釣りに出かけたのはイタリアのシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)首相だ。

 またプーチン氏は、米国全土に国立公園を作った20世紀前半の米大統領、セオドア・ルーズベルト(Theodore Roosevelt)を「手つかずの自然を守ることに情熱を注いだ擁護者」と呼び、「自然保護に巨大な、金銭には換えられない貢献を果たした」と称賛した。政治指導者がアウトドアで写真を撮影されることは適切だと思うかとの質問には、「あるルーズベルトの写真をよく覚えている。彼は銃と釣り竿を手にしていただけではなく、自分で仕留めたライオンと一緒に写っていた」と答えた。
 
 掲載誌は狩猟と釣りを扱う雑誌だが、ソ連時代の指導者フルシチョフやブレジネフとは異なり、プーチン氏は狩猟愛好家ではないと公言している。「偽善ぶるつもりはないし、レジャーとして狩猟が存在する権利はあると思うが、適切な規制の下で、その動物の個体数が再生する場合に限るべきだと思う」と述べた。

 ロシア地理学協会(Russian Geographical Society)の会長でもあるプーチン首相はこれまでに、クジラやシベリアトラの生息調査のためのタグ付けに参加したこともある。エコロジーへの関心を示すことで「行動する男」のイメージを強調できる部分もあるだろうが、心からそれを望んでいる様子もうかがえる。

 プーチン氏は最近あるコラムニストから「政界で最もクールな男」と評されたばかりだが、このアウトドア誌のインタビューに答えたことも、また意表をつくメディア選択だと言える。(c)AFP

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