【5月15日 AFP】昨年の夏はロシア自動車大手アフトワズ(Avtovaz)のブランド、「ラーダ(Lada)」のスポーツモデルでシベリア(Siberia)を疾走してみせたウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露首相だが、不覚にも最新モデルの試乗でちょっとした苦戦を演じた。
 
 ロシア・トリヤッチ(Togliatti)にあるアフトワズ本社を11日、視察に訪れたプーチン首相は、同社の新モデル「ラーダ・グランタ(Lada Granta)」に試乗しようと、スポーツジャケットにサングラス姿でさっそうと運転席に乗り込んだ。

 雲行きが変わったのは、プーチン首相がイグニッションキーを差し込み、回した瞬間だ。何度、試みてもエンジンがかからない。

 助手席に座っていたアフトワズのイゴール・コマロフ(Igor Komarov)社長が二言三言、プーチン首相にアドバイス。5回目でようやく発進することができた。この時の動画はロシアのウェブサイト「LIFENEWS」で見ることができる。

 欧米ではラーダについて、旧ソ連時代の箱型自動車の再来だなどといったジョークがさんざん交わされているが、皮肉にもエンジンがかからなかったのは車両の不具合が原因ではなく、単にプーチン首相の知識不足だった。露メディアによると、プーチン氏は新モデルのアクセルペダルが電気制御式だったことを知らずに、強く踏み込みすぎていたと弁明した。

 記者らに試乗の感想を求められたプーチン首相は「トランクが随分、大きいね。ジャガイモが2袋も入りそうだ。これは廉価版だそうだが、悪くないね。おおむね気に入ったよ」と答えた。

 アフトワズは世界金融危機で経営危機に陥り、ロシア政府に救済された。現在、プーチン首相は「ラーダ」ブランド車を国民に浸透させるべく、自ら率先してブランドの宣伝に務めている。(c)AFP

【参考】アフトワズの「ラーダ・グランタに試乗するプーチン露首相