【5月9日 AFP】インドネシアのジャカルタ(Jakarta)で開かれていた東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議は8日、議題の焦点となっていたタイとカンボジアの国境紛争問題について、解決策を見出せないまま閉幕した。

 ASEANは、両国の紛争は、地域統一を脅かし、加盟10か国の戦略的なメッセージである経済統合に影を投げかけているとの懸念を示す一方で、対立する両国から妥協点を引き出すことはできなかった。

 最終日に採択された議長声明では、「ASEAN連帯の精神にのっとり、友好的な解決が望ましい」と述べるにとどまり、ASEANの紛争解決における弱点が浮き彫りとなった。

 タイ・カンボジア問題のほか、中国と一部のASEAN加盟国の間で争われている南シナ海(South China Sea)の領有権問題も協議され、ASEANは解決への突破口として、中国側と「南シナ海での行動規範」について協議することが必要だと強調した。

 このほか、食糧・エネルギーの安全保障問題、人身売買の阻止、東ティモールの加盟問題などが議題にあがった。(c)AFP/Arlina Arshad