【5月6日 AFP】(一部更新)バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は5日、2001年の9.11米同時多発テロで崩壊したニューヨーク(New York)の世界貿易センタービル跡地「グラウンド・ゼロ(Ground Zero)」を訪れ、献花した。

 9.11の首謀者とされる国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の最高指導者ウサマ・ビンラディン(Osama Bin Laden)容疑者がパキスタンで米特殊部隊により殺害されたのを受け、大統領として初めて訪問。花輪をささげて黙とうし、遺族と言葉を交わした。演説は行わず、勝利を祝うというよりは犠牲者をしのぶという形で粛々と行われた。

 大統領はこれに先立ち、同時多発テロで消防士15人が犠牲になった市内の消防署を訪問。「われわれは絶対に忘れない」と述べた。

 6日にはケンタッキー(Kentucky)州のフォートキャンベル(Fort Campbell)基地を訪問し、ビンラディン容疑者の隠れ家を急襲する作戦に参加した特殊部隊員と面会する。ある米政府高官は、「大統領は個人的に感謝の気持ちを伝えるのではないか」と話した。

■変わる米政府の説明

 一方、米政府による急襲作戦の説明は変わってきている。ホワイトハウスの報道官は3日、激しい銃撃戦になったと発表したが、米政府高官らが国内メディアに明らかにしつつある詳細は、特殊部隊側の一方的な攻撃だったことを物語っている。

 高官らによると、武装していたのはビンラディン容疑者のクーリエ(手紙やメッセージの運び屋)の1人だけで、作戦開始直後に発砲してきたクーリエを射殺した後は、発砲してきた者はいなかったという。

 特殊部隊はゲストハウスでこのクーリエと、クーリエの妻の女性1人を、母屋の1階でクーリエの兄弟とビンラディン容疑者の息子とみられる男性を射殺。クーリエの兄弟は発砲しようとしていたとみられている。その後、母屋の3階の寝室にいたビンラディン容疑者を射殺した。容疑者の妻が撃たれてけがをしたが、その状況は不明だ。

 特殊部隊は、寝室でカラシニコフ自動小銃(AK-47)1丁とロシアの拳銃1丁を発見。屋内には、多数の武器のほか、隠し扉も見つかっているという。米特殊部隊は、容疑者らが隠れたり爆発物を仕掛けたりしていた場合に備えて、特殊な訓練を受けた犬も連れていたと報道されている。

 米政府は、殺害時にビンラディン容疑者が武装していなかったことを認めた。オバマ政権は、作戦の合法性を問われている。(c)AFP/Sebastian Smith

【動画】献花を行うオバマ大統領(YouTube/AFPBB News公式チャンネル)